イビサの歴史

いつだって人類を魅了し続けてきたイビサ
イビサは、長い歴史の中で人種・宗教を越え、多くの民族を魅了し続け、そして彼らの文化を受け入れ独自の文化を発達させてきました。
南北約45km、東西約25kmの小さな島にバリエーション豊かな歴史の残した痕跡を見ることができます。

800万年前~
今から約800万年前、地殻変動よってイビサ島などバレアレス諸島は誕生しました。
そして紀元前1万2000年前頃、氷河期の終わりに欧州本土と陸続きだったイビサは現在のような島となりました。
人類の居住は、紀元前5000年頃から始まったと考えられています。
イビサはスペインの東海岸の沖、アフリカとヨーロッパの間に位置し、地中海貿易の重要な拠点として歴史に名を残すこととなります。

紀元前12世紀~
紀元前15~8世紀にかけて、地中海全域において勢力をもっていたフェニキア人は、貿易ルートに位置していたイビサに訪れるようになります。船の修理・食料調達を行う重要港として活用されました。
紀元前8世紀頃、彼らは、“サ・カレタ(Sa Caleta)”ビーチ近辺を拠点としており、世界遺産にも登録されている居住区の遺跡が残されています。

紀元前5世紀~
フェニキア人の植民地であったカルタゴ(現在のチュニジア)が、海上貿易で勢力を増してきて、イビサに街を作りました。
これがイビサタウンのはじまりで、彼らはそこに大きな港を設け、島を支配下に置きました。カルタゴ人は この島のことを【Ibossim】と呼び、塩田をつくり、貴重だった”塩”をつくり、現在のイビサの礎を築きました。
また、土を掘り返す動物がいないイビサは共同墓地を作るには最適な場所でした。それゆえ歴史的に貴重な発掘物の宝庫でもあります。
紀元前2世紀~
3度にわたる戦争の末、123年にローマ人によってカルタゴは滅亡させられ、イビサはローマ帝国の支配下になりました。
ローマ人は、ぶどう・コーン・オリーブなどの農作物の育て方を島民たちに教えましたが、帝国の東西分裂後は、今度はヴァンダル人やビザンチン人の侵略を受けます。

9世紀~
スペイン本土ではイスラム教徒の侵攻が進み、9世紀ついに、イビサもアラブ人の支配下に入りました。それから約500年間、イビサはアラブ人に支配されます。
イビサタウンにはモスクがつくられ、ダルト・ヴィラの城壁が強化され、7つの見張り台の増築等が行われました。
イビサ産の塩・農産物・海産物を使った貿易は経済的にも島を潤し、
イスラム教徒によって支配されたこの時代はイビサにとって栄華の絶頂期でした。
アラブの文化の影響は、建築物や民族衣装・楽器・言葉にいまも色濃く残っています。
13世紀~
ヨーロッパ全土でキリスト教が勢力を伸ばしていた時代、アラゴン王国のカタロニア人がイビサを攻めてきて、イビサを征服しました。
強固な砦と、地理的な要因から攻略が困難と思われましたが、カタロニア人は秘密の地下通路を見つけ、砦の中に簡単に侵入してしまったようです。
その後、カタロニア人はイスラム教徒の造ったモスクをバンバン壊し、代わりに教会をたくさん造りまた。街もサンタエウラリア、サンアントニ、サンミゲル、サンジョルディなど、聖職者の名前に変更しました。
1479年、アラゴン王国のフェルナンド王子とカスティーリャ王国の王女イザベルとの結婚により、スペイン王国が誕生、イビサはついにスペイン領となります。
海賊との戦い
相変わらずイビサは、海運の中心地として栄えていたため、常にアフリカ海賊のターゲットとなっていました。
そこで島の人々は島を守ることに力を注ぐことになります。
海岸線に見張り台をつくり、大砲を数々設置。さらに、海賊には海賊で対抗。自警団として島民で構成される海賊を結成しました。
その船長アントニオ・リケール・アラビは、今でもイビサの英雄です。

20世紀~
1960年代のヒッピームーブメントとともに、ヒッピーたちが島に集結し、ラブ&ピースな、自由でかつ退廃的な彼らの聖地となりました。1980年代後半に、セカンドサマーオブラブのムーブメントが起こると、今度は英国の若者たちのクラブの聖地となりました。
そしてクラブシーンの発信地として世界中から最先端のミュージックを求めるクラバーたちを集めています。

21世紀~
1999年の世界遺産への登録も手伝って、若者たちが大騒ぎするクラバーの島から、セレブも家族連れも楽しめる島へと変貌を遂げたイビサ。
ヨーロッパ各都市から飛行機が増便され、24時間空港はフル活動。6月~9月のシーズン中だけでおよそ200万人の観光客が訪れます。
国籍・年齢を問わず、タウン派も、リゾート派も、クラブ派も、どんな人でも楽しめる総合リゾートとして進化し続けています。
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